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CabaretM1

官能小説家、深志美由紀の日記

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高速回線は光うさぎの夢を見るか?

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というわけで、華倫変つづき。



というか昨日から読み返したら止まらなくなってしまい、切なくてたまらなくなってしまいました。



たった五冊の本を遺して、2003年に急逝してしまった漫画家、華倫変。


というような話はまあ置いておいても、とにかく漫画がすごいのだ。




むかーしヤンマガに載っていた「桶の女」という漫画を、私はずっと覚えていて、何年も経ってからその作者だとは気付かず作品集「カリクラ」を買ったらその中に収録されていたという。

それが結構衝撃だったのですが、読んでみたらば、「桶の女」だけでなくほかの作品もすべてが素晴らしかった。


よく話題に上がるのが「ピンクの液体」という作品なのですが、それも含め、先述の「桶の女」や他の作品に一貫して描かれているのは「ちょっとバカな女の子」です。

刹那的な、厭世的な、どこか自棄っぱちで危なっかしい、明日のことは難しくて考えられない、または考えすぎて忘れてしまうような女の子達。


きっと彼は、そういう女の子が好きだったんだろうなあ。

ふつう、どんな優れた作家さんでも、男の人の描く「女の子」というのは実に理想的で、幻想(妄想)的なものです。

しかし彼の描く「女の子」だけは違う。


いや、ある意味究極に妄想的であるのかもしれないけれども、なぜか、女の私から見て胸が痛いほど共感できるのです。



それは男の女に対する「バカであって欲しい」欲の一部なのかもしれないけれども。

その「バカさ」にはまったく救いがなく、泣き叫んで自らすすんで穴の底へと転がり落ちている彼女たちはしかしなぜか、最後にはふわふわと微笑んでいる(それは諦めの笑顔だったりするのだけれど)。

自分ひとりも守れない彼女たちのその笑顔には全てを受け入れる包容力があって、見ているものがどうしてだか救われてしまうのです。

「……それでもいいのかな、ここには花があるし」


これは彼の妄想ではあるのだけど、現実の多くの女の子が持っている内面を、かなしいほど切実に表現しているのだと思います。



彼女たちは自分すら救えない。

だけど残酷な読者を、微笑んで受け入れる。




華倫変の「バカな女の子」に対する視線は愛に溢れていて、やさしい。

だから、私は彼の描く女の子たちがとても好きなのです。



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